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せつなの言葉を聞いた時。 アタシは、良かった、って思った。 嬉しく、思った。 LOVE SOMEBODY 「ラブ」 長い、長い階段を駆け上がる。その行き着く先には、シフォンが待っている。 相変わらず体は重くて、飛び上がることも出来ないけれど、負けていられない。シフォンを助けて、全ての世界を 元通りにする為に、負けられない。 「ねぇ、ラブ」 思いながら駆けあがって行くアタシの隣に並んで来たのは、パッションだった。アタシの名前を小声で呼びながら、 こちらに視線を向けてきている。 「どうしたの? せつな」 アタシは、パッションではなく、せつなと彼女を呼んだ。せつなが今のアタシを、ラブと呼んだから。 つまりそれは、プリキュアとしてではなく、友達として話をするという意味。 「ん――――最後の戦いの前に、ラブにちゃんと言わなきゃいけないと思って」 走り続けながら、アタシを横目で見て、パッションは――――せつなは言う。怪訝そうなアタシの表情に気付いた のだろう、彼女は小さな笑みを顔に浮かべる。 「ホントは、こんな時に言うことじゃないんだけどね――――ありがとう、って、どうしても言いたかったから」 「え?」 「アタシに幸せを教えてくれたこと。アタシを守ってくれたこと。言葉にし尽せないぐらい、ラブには感謝してるわ」 驚くアタシ。けれど、駆ける脚を止めることはしない。走りながら、アタシは黙ってせつなの言葉を聞く。 「貴方がいてくれたから、私は自分の幸せを見つけることが出来た。誰もが、自分の想いを持っていいのだと、気付く ことが出来た――――この世界で管理されていたなら、絶対に気付くことが出来なかったことを、貴方が教えてくれた」 少しだけ、彼女がアタシの方に顔を向けた。その目は、とても暖かい笑みを湛えていた。そう、かつてイースとして、 アタシ達の前に立ちはだかった少女と同じとは思えない程に。 「もちろん、お母さんやお父さん、美希やブッキー、それに四ツ葉町の皆からも色んなことを教わったわ―――― けれど、一番はやっぱり、ラブだから」 だから、ありがとう。 そう言う彼女に、アタシも返す。想いを。 「じゃあ、アタシからもありがとう、かな」 「え? 私、ラブに何かした?」 「せつなから、たっくさん幸せ、もらったよ」 一緒にご飯を食べて、ダンスをして、学校に通って。 せつなと一緒に過ごした時間は、とっても楽しいものだった。 かけがえのないもの、絶対に守らなきゃいけないものと思える程に。 「だから、ありがとう、せつな」 「――――なんだか、照れ臭いわね。けれど――――あったかい」 ありがとう、って素敵な言葉ね。 せつなの言葉に、アタシも大きく頷く。 ありがとう。感謝の気持ち。それは言葉にすればたったの五文字だけれど、とても大きな意味を持つもの。 「それにね、アタシ、嬉しかったんだ。せつなが、メビウスに手を差し伸べたのを見て」 「……ラブ」 「メビウスに、手を差し伸べて、理解し合おうって言ってくれて――――うまく言えないけど、良かった、って思ったんだ」 かつて、せつなはメビウスに忠誠を誓っていた。それを裏切った相手にも、せつなが優しさを見せてくれて、幸せを 共にしようと言ってくれて。 すごく、ジーンとした。 「あれも貴方のおかげよ」 「そうなの?」 「ええ。だって貴方が、敵であった私に手を差し伸べてくれたから」 「――――そっか」 アタシは笑う。せつなも、笑う。 「メビウス様は、私の手を取ってくれなかったけれど――――私、これからも色んな人に手を差し伸べることをやめない。 それがたとえ、敵であっても」 誓うように言って、せつなは後ろを一瞬、振り向く。つられて見れば、彼女の視線の先にはウエスターとサウラーの 二人がいた。 そっか。あの二人も、せつなと美希タンが手を差し伸べたから。 「そうやっていつかは、全ての世界の人達が、皆、手を取り合っていけたら――――」 「うん。そしたら、皆で幸せを分かち合えるね」 繋いだ手から伝わったんだ。アタシの気持ち。想い。 それが、イースであったせつなを助けたのなら、きっと、彼女が助けた人にも、アタシの想いは伝わっていく。 そうすれば、きっとたくさんの人に、愛を届けられるだろう。 「だから――――だから私、精一杯、頑張るわ」 「うん。シフォンを連れ帰って、皆で幸せ、ゲットだよ!!」 笑いあってから、アタシは大きく叫ぶ。 「行くよ、皆!!」 『ええっ!!』 美希タン、ブッキー、せつな。皆の声が、アタシの背中を強く押してくれる。 プリキュアは――――ううん、アタシ達は負けない!! 皆のハートが、力になるんだから!! 思いながらアタシ達は。 シフォンへと続く階段を、駆け上がっていったのだった。
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ラブ・ルピア 火 アンコモン 4 4000 ファイアー・バード ■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、次の自分のターンの始めまで、相手がクリーチャーを選ぶ時、バトルゾーンにある自分のクリーチャーを選ぶことはできない。(ただし、攻撃またはブロックしてもよい。) みんな、大好きだッピ❤❤❤❤❤❤❤ ―ラブ・ルピア 作者:影虎 収録 蘇生編 第一弾 (リヴァイヴ・ブレイブス) 名前 コメント
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「ようこそ、お参りくださいました」 頭を上げたその姿を見て、 自然に、ため息が出た。 清楚な、白衣。 あざやかな、緋袴。 凛とした、微笑。 湖水のように、澄んだ瞳。 きれいな黒髪が、 巫女装束に映える。 「わはー!せつな、超似合ってるよ...」 「ちょっと、完璧なんだけど...」 「ぜったい、似合うって信じてた!」 働いている最中なので、 無駄話もなし。 それどころか、あたし達にも 他の参拝客と同じように、 敬語で接してくる。 完全に、お仕事モードだ。 四つ葉町にある神社は、 初詣で大にぎわい。 せつなに、初詣期間の 助勤のお願いが来た。 せつなは、もちろん 二つ返事。 あれっ、みんなで 初詣に行く予定は...? まぁいいか。 人から頼られると、せつなは 必要以上に頑張るタイプだから。 お祓いの呼び出し。 控え室への案内。 破魔矢やお守りの販売。 おみくじの案内。 御神酒の振る舞い。 せつなは、微笑みを絶やさず くるくると働いている。 あたし達が注目するのと 同じくらい、他の参拝客も せつなに注目している。 せつなが、お守りの 売り場に移動する。 お守り売り場に、 殺到する行列。 せつなが、御神酒の 振る舞いを始める。 何度もおかわりする、 おじさん達の行列。 せつなに案内してもらうために お祓いの順番を調整している 家族まで居る。 何だか、せつながあまりに 綺麗すぎて、遠くなっちゃったみたい。 嬉しいんだけど、 ちょっと、さびしい。 おみくじも、小吉。 「逃げられぬよう注意」だって。 おみくじを結んで、 ふと振り返る。 遠くで顔を起こしたせつなと、 目があった。 一瞬だけ、せつなが ニコッとわらった。 胸が、どきっとして あたしは、2歩ほど後ろに下がった。 「ラブ、どうしたの?」 「ラブちゃん、大丈夫?」 「うん...ちょっと」 あぁ。 ノックアウトされちゃった。 何度もおみくじ引いたり、写真を撮ったりして、 結局、夕方まで神社に居た。 境内を後にしようとしたあたし達は、 古札回収の箱を入れ替えている せつなを見つけた。 「せつな!お疲れさま!」 「ラブ...ごめんね、あんまり構えなくて」 「ううん!それよりもさ、すごく似合ってるよ!」 「ありがとう...何だか照れくさいわ」 「そんなことないよ、すっごく似合ってる!」 「アタシも自信を持って言うわ。完璧よ!」 「そう...かな」 せつなが、顔を赤らめる。 「せつな...この服って クリーニングに出すよね!」 「ええ、神社の方で 出してくれるらしいけど...」 「いやいや!これはやっぱり 使った人がちゃんと洗って返さないと!」 「そうなの...じゃあそう言っておくわ」 「うん!じゃああと少し、頑張ってね!」 「ええ、ありがとう」 せつなが持ち場に戻っていく。 「ちょっと、ラブ」 美希たんが肘であたしの脇腹をつつく。 「洗って返す前に、何かしようとしてるでしょ」 さすが。
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「罰当たり?」/◆BVjx9JFTno 「ようこそ、お参りくださいました」 頭を上げたその姿を見て、 自然に、ため息が出た。 清楚な、白衣。 あざやかな、緋袴。 凛とした、微笑。 湖水のように、澄んだ瞳。 きれいな黒髪が、 巫女装束に映える。 「わはー!せつな、超似合ってるよ...」 「ちょっと、完璧なんだけど...」 「ぜったい、似合うって信じてた!」 働いている最中なので、 無駄話もなし。 それどころか、あたし達にも 他の参拝客と同じように、 敬語で接してくる。 完全に、お仕事モードだ。 四つ葉町にある神社は、 初詣で大にぎわい。 せつなに、初詣期間の 助勤のお願いが来た。 せつなは、もちろん 二つ返事。 あれっ、みんなで 初詣に行く予定は...? まぁいいか。 人から頼られると、せつなは 必要以上に頑張るタイプだから。 お祓いの呼び出し。 控え室への案内。 破魔矢やお守りの販売。 おみくじの案内。 御神酒の振る舞い。 せつなは、微笑みを絶やさず くるくると働いている。 あたし達が注目するのと 同じくらい、他の参拝客も せつなに注目している。 せつなが、お守りの 売り場に移動する。 お守り売り場に、 殺到する行列。 せつなが、御神酒の 振る舞いを始める。 何度もおかわりする、 おじさん達の行列。 せつなに案内してもらうために お祓いの順番を調整している 家族まで居る。 何だか、せつながあまりに 綺麗すぎて、遠くなっちゃったみたい。 嬉しいんだけど、 ちょっと、さびしい。 おみくじも、小吉。 「逃げられぬよう注意」だって。 おみくじを結んで、 ふと振り返る。 遠くで顔を起こしたせつなと、 目があった。 一瞬だけ、せつなが ニコッとわらった。 胸が、どきっとして あたしは、2歩ほど後ろに下がった。 「ラブ、どうしたの?」 「ラブちゃん、大丈夫?」 「うん...ちょっと」 あぁ。 ノックアウトされちゃった。 何度もおみくじ引いたり、写真を撮ったりして、 結局、夕方まで神社に居た。 境内を後にしようとしたあたし達は、 古札回収の箱を入れ替えている せつなを見つけた。 「せつな!お疲れさま!」 「ラブ...ごめんね、あんまり構えなくて」 「ううん!それよりもさ、すごく似合ってるよ!」 「ありがとう...何だか照れくさいわ」 「そんなことないよ、すっごく似合ってる!」 「アタシも自信を持って言うわ。完璧よ!」 「そう...かな」 せつなが、顔を赤らめる。 「せつな...この服って クリーニングに出すよね!」 「ええ、神社の方で 出してくれるらしいけど...」 「いやいや!これはやっぱり 使った人がちゃんと洗って返さないと!」 「そうなの...じゃあそう言っておくわ」 「うん!じゃああと少し、頑張ってね!」 「ええ、ありがとう」 せつなが持ち場に戻っていく。 「ちょっと、ラブ」 美希たんが肘であたしの脇腹をつつく。 「洗って返す前に、何かしようとしてるでしょ」 さすが。
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宿題をしているあたしの横で、せつなは机に頬杖をついて、あたしの手元を見つめている。 その細くて白い指が、艶やかな黒髪をもてあそび、おくれ毛を耳にかける様を、あたしは横目でチラリと見やる。 「ラブ。下から二行目の計算、それで合ってる?」 数学の応用問題。計算式を何個か書いて、やっと答えに行き着くかな、と思った矢先、せつなの穏やかな声がかかった。 「え?えーっと・・・。」 焦って筆算をやり直すあたしの横で、せつなが頬杖を解いて身を乗り出した。 再びチラリと見やったあたしの目に飛び込んでくる、綺麗に浮き出た鎖骨のライン。 慌てて目をもう少し上にやれば、前のめりで計算用紙を覗きこむ、長い睫毛・・・。 途端に計算が合わなくなって、あたしは焦ってゴシゴシと、書きかけの式を消した。 せつなは身を乗り出したまま、辛抱強く・・・実に辛抱強く、あたしの計算が終わるのを待っている。 「んー・・・。なんか、ちゃんと割り切れた数にならなかったけど・・・。」 ちっとも自信がないまま計算用紙を見せると、せつなはニコリと笑って、あたしに頷いてみせた。 「そう。落ち着いてやれば、出来るでしょう?じゃあその答えを、次の式に入れて・・・え?ラブ・・・どしたの?」 もう限界だ。あたしはカランと鉛筆を放り出すと、そのまま机の上に突っ伏した。 「ねぇ、せつな。」 自分の声が、くぐもって聞こえてくる。 「あたしなんかと居て・・・せつなは、楽しい?」 ダメだ。こんなこと言ったら、せつなを困らせちゃう。 そう思うのに、思考はぐるぐる空回りして、口からはどうしようもない言葉ばかりが飛び出していく。 「あたし、せつなから見たら余りにもバカで、幼稚でしょ?」 「・・・。」 「こんなあたしに付き合って、せつなが楽しいわけ、ないよね。」 「・・・。」 「あたし、せつなに我慢なんかさせたくない。なのに、あたしなんかじゃ・・・」 「ラブ。」 いきなり、あたしの頭が抱え込まれて、机から離された。 柔らかくて少し冷たい腕の感触を、瞼の上と、首元とに感じる。 「何言ってるの。」 息がかかるくらい近いのに、驚くほど柔らかく響くアルトの声。 「私は、ラブと過ごすどんな時間だって、どんな一瞬だって、楽しいわ。 ラブが一緒にいてくれさえすれば、それだけで、何より幸せよ。」 「せつな・・・。」 せつなが心からそう思っているんだと、あっさりと信じて喜んでしまうあたしは、やっぱり底抜けにバカで幼稚なんだろう。でも・・・。 柔らかく、でもしっかりとせつなの腕に抱え込まれているうちに、少しずつ、気持ちが落ち着いてきた。 ゆっくりと右手を上げて、そっとせつなの細い手首を掴む。 「・・・あたし、メチャクチャ恥ずかしいこと言っちゃったね。」 「ふふっ。でも、家族なら恥ずかしいところを見せても、構わないんでしょう?」 せつなの息が耳を掠めて、少しだけドキドキする。あたしはフッと小さく息を吐いて、ゆっくり、せつなの腕を外した。 (家族、か・・・。) 家族。親友。仲間。そのどれもが当てはまるけれど、どれも少し違うと感じる、せつなとあたしの関係。 二人の関係を端的に表現できる言葉なんて、この世にあるとは思えない。 出会ってからの短い時間が嘘のような、二人の間の、この濃密な関係を。 「・・・最後まで解けたけど、やっぱり割り切れないよ?せつな。」 「いいのよ、これで。割り切れないときのために分数があるんだから、その答えのままでいいの。」 せつなの解説に、そんなものか、と数学のノートを閉じながら、ふと思う。 (数学じゃなくて現実の世界でも、分数のままにしておいて、いいのかな・・・。) 割り切れないのなら、割り切れないままに。一言で言い表せないのなら、言い表せないままに。 ひょっとしたら、それでいいのかもしれない。いや、少なくとも今は、そのままにしておきたい。 出来の悪い生徒の家庭教師を終えたばかりの、まだ机の上に置かれたせつなの白い指。その指に・・・。 あたしは、今度は自分から、指を絡めた。 Fin.
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「今日はクリスマスイブね。この前のペンダントのお礼を兼ねてクリスマスプレゼント」 私はラブに昨日の夜ラッピングをしたプレゼントを渡す。ラブ、喜んでくれるといいけど。 「ありがとう、せつな」 「中を見て、文句を言わないでね」 「ここで開けてもいい?・・・・アカルン使用券?」 「お父さんやお母さんにいつまでも迷惑を掛けられないから、お金をかけられなくて。 こんなものでごめんなさい」 「せつな、ありがとう。せつなから貰うものなら何でも嬉しい」 私の大好きないつものラブの笑顔。だけど、いつもより輝いて見える。 大好きな人が喜んでくれる。笑顔でいてくれる。それだけで、私も嬉しい。 お父さんもお母さんもクリスマスイブということで、早めに仕事を終わらせてくれたみたいで、4人でパーティの準備を始める。 「お母さん、刷毛で鳥肉に塗っているの、何」 「これは溶かしバターで最後に塗ると、皮がカリっと焼けて香ばしくなるの」 鳥の形そのままのお肉。お母さんが近くのお肉屋さんに特別に注文していたものらしい。 「ラブ、手に持っている緑の野菜、何」 「ピーマンだよ」 でも、今日はクリスマスパーティーなのにピーマン、どして? 「ベーコンが油が出るくらいまで焼いて、そこに適当に切ったピーマンを入れるっと。 あたしは焦げめがついたくらいいいかな。ピーマンに甘味が出て。 最後にちょっと多めに塩胡椒を入れる。お父さんのお酒のおつまみにもぴったりだよ」 「お父さんが作っているの、何」 「ホワイトシチュー。じゃがいも、人参、玉ねぎを煮込んで、ルーを入れて一煮立ちしてから火を止めて、最後に湯掻いたほうれんそうを入れる」 人参を煮ていた時点でラブは諦めていたみたいだけど、お母さんは不意をつかれたみたいで、なんとなく顔が青ざめているような気がする。 「二人とも、僕のシチュー食べられないって言うのかい」 「・・・・」 「私は精一杯、食べるわ」 「せつなは嫌いなものが入っていないかもしれないけど・・・・」 「せっちゃんはお皿出してくれる」 「はい」 「いただきます」 4人で囲む食卓。いつもの家族の団欒。 だけどいつもと違う、心が弾む感じがする。これがクリスマス? 「あたしの小さい頃なんだけどね。 サンタさんにプレゼントをくれたらお礼を言おうと思って、寝ないで待っていたことがあったんだ。 でもそこにお父さんが来たから驚いて・・・」 「そうかそれでラブは、お父さんが来たから、サンタさんが来なかったって泣いたんだね」 「なかなか泣きやまないラブをなだめるのに苦労したわよ」 私の知らないクリスマスの思い出。 でもいつか今夜のことも思い出となって、こうやって話題に出るのかもしれない。 今日はお父さんもお母さんも早く帰ってきたからか、いつもより後片付けに時間がかかったといっても、寝るというにはまだ早い時間。 自室に戻ろうとすると、 「後で、あたしの部屋に来てくれる?」 「まさか、今夜は何もしないから、多分、ねとか言っちゃったりする?」 「・・・・・・」 「そんな展開になったら、すっごく私が困るんですけど」 「せつな、もしかしてあたしの事嫌いになった?それとその口調、なんかいつものせつなじゃない。もしや、セレワターセ!!」 「違う、私だけど私じゃない」 「分かった確かに、せつなだね。今夜は何もしないから、おそらく」 「・・・・・・」 「冗談、冗談。さっきのコレ」 と言って、赤いカードを渡してくれる。私がラブに渡したプレゼント、アカルン使用券。 「コレ使ってもいい?あたし、せつなと行ってみたい所があるんだ」 「―――」 「そんな所でいいの?普段行けない所でもいいのに」 「うん、夜にせつなと行ってみたかったんだ。お母さん達が心配するから暗くなってから出かけられないし」 「じゃあ、せつな、お願い」 「分かった。アカルン、お願い」 ここは、クローバータウンストリートが見渡せる丘の上。 私が初めてお母さんと出逢った場所、そしてその夜、私に初めて家族ができた場所。 「ここは、せつなとお母さんが初めて会った所だったよね」 「そうね」 私とラブは寄り添いあって、丘の上から眼下に広がる街を眺める。 家々に明かりが灯り、街全体がまるでクリスマスツリーのよう。 あの光一つ一つに、幸せがあるのだろう。 家族でクリスマスパーティーをしていたり、 子供達がサンタさんのプレゼントを待ちながら眠っていたり、 恋人達が寄り添いながら愛を語ったりしているのだろう。 私がイースだった頃、壊していた幸せ。 私の寒さだけじゃない心の震えを感じたのか、ラブが私の肩に腕を回してくる。 「いつでも来れるのにわざわざここにしたのどして、とか思ってる? ここは、あたし達プリキュアが守ってきた街、そしてこれからも守っていく街が見える所。 あたしや美希たん、ブッキーだけじゃないよ。せつなも守ってきたんだよ、この街を。 だからこんなに幸せが満ち溢れている」 「それに、――――」 え、ラブ今何か言った? 「ううん、なんでもない。寒くなってきたね。もう帰ろう」 「うん」 私はラブの言葉に頷きながら、眼前の景色に意識を向ける。 月の光に照らされ、シロツメクサの緑の葉っぱは白い花のように、山の稜線は白く浮かび上がって見える。 山のあなたの空遠く、「幸」住むと人のいふ。 噫、われひとと尋めゆきて、涙さしぐみ、かへりきぬ。 山のあなたになほ遠く、「幸」住むと人のいふ。 山の遥かずっと向こうに幸せがあるという。 でも、私の幸せは山の向こうにあるのじゃない。 ここに、クローバータウンストリートに、そして、ラブのそばに在る。 了 本文中の詩「山のあなた」カール・ブッセ作 上田敏訳 メ-001へ
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このページはこちらに移転しました アスタリスクラブ 作詞/54スレ49 切ないラブソング聴きながら 指に残る過去をなぞってく 身体に染み付いた香りに 胸の奥が炎を灯(とも)す 洗濯したベッドのシーツに そっと残る跡はまだ赤い 繊維に染み付いた思い出に 耳の奥はうずくだけ 出会った頃は 友達だった いつも一緒に 笑い合ってた 気づけば恋や愛を超えた 関係になってたのに ホタルの尻が灯るみたいに 二人求め合ったよね 熱を帯びた月のスピードで ツき合った夜もあった ホタルの尻が消えるみたいに 果てるそんな日もあった ツかれた後に飲むアルコールで 夢の中へ落ちていく Boys Love... My Lover Boy... Good Bye Boy... My Love Is End... YARANAIKA STORY... (このページは旧wikiから転載されました)
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レス番号 作品名 作者 補足 避-968 幸せの花がひらく時(ラブ・せつな編)上 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 女の子同士が惹かれ合う事。それは悪い事なんかじゃない。今はまだ―――ゆっくりと 避2-41 幸せの花がひらく時(ラブ・せつな編)中 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 まだ無理だったのかな。早すぎたのかな。すれ違う感情と不安な気持ち。ねぇせつな、あたし… 10-252 幸せの花がひらく時(ラブ・せつな編)下 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 想いが通じ合って。そして迎える、二人一緒の快楽への旅立ち。恋人同士の花がまた一つ開いた瞬間を。 避2-176 幸せの花がひらく時(番外編)運命のディスク 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 全てのきっかけ。それは自らが導き出した物だったのかもしれない。欲情・欲望・葛藤・嘆き。美希視点で 11-70 幸せの花がひらく時(美希・祈里編)上 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 それは幼き頃の思い出。いや、夢だった。叶わぬ想いと知りながらも。あれから数年。開放できない心の想いが邪魔をして… 11-99 幸せの花がひらく時(美希・祈里編)下 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 幸せを迎え入れる決意をした一人の少女。張り詰めた想いと緊張、そして恐怖。体に起こる変化は何を示すのか…。
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私を呼ぶ声が聞こえた。ラブの声だ。暗闇を照らす光が見える。私は光に手を伸 ばす。 「せつなぁ~朝だよ~」 「…」 「早く起きないと、学校遅刻しちゃうよ?」 まだ見慣れないこの光景、もう1ヶ月近く経つっていうのに。それに、またあの 夢を見た。ずっと見ている夢だ。昨日も、その前も。 「…うなされたの?」 ラブが心配そうな表情で私の顔を覗き込んできた。私は首を横に振って、そっと 笑いかける。 この子の笑顔を曇らせるのは、いつからか凄く嫌になった。だから貴女の嫌いな 嘘を吐く様になった。 「大丈夫よ」 「そう?嫌な事があったら、すぐに言うんだよ?あたし達、友達なんだから」 友達という単語にも最近違和感を覚える様になった。友達、親友、って貴女は言 う。最初はそれがとても心地よかったけど、今は違う。なんか…気持ち悪い。 「…ありがとう」 「じゃ、朝ご飯食べよっか!」 「ねぇ、さっき言ってた、学校…って何…?」 「今日から新学期でしょ?せつなも学校行かなきゃ」 「私、学校なんて行った事ないわ」 「でも行かなきゃ!義務教育!」 「ええっ」 「制服も準備しといたよっ、早く着てみてよー」 「ちょ、ちょっとラブ!?」 「あら!似合ってるじゃない、せつなちゃん~」 「でしょでしょ?可愛いでしょ~!」 「……」 まじまじと見られると、なんだか恥ずかしい。私の顔、きっと赤くなってるに違 いない。 朝ご飯を食べて支度をして、家を出た。ラブはどうやら久しぶりの学校が嬉しい のか、鼻歌なんか歌ってる。 「学校って、楽しいの?」 「楽しいよ~!勉強は嫌いだけど、友達とワイワイするのは大好き!」 「友達…」 「大丈夫、最初は不安かもしんないけど、きっとすぐせつなも友達出来るから!」 「……」 ラブは手を差し出してきた。私の好きなあの笑顔で。私は少し躊躇いがちにその 手を取る。これも、何度やっても慣れないし。 ラブの手はいつも温かい。手だけじゃなくて、ラブはどんな時も温かい。近くに いると、私も温かくなる。心地良い。安心する。 ラブはいつだって私を照らしてくれる。温かくて優しい、私の光。 「せんせー、この子が、東せつなだよっ」 ラブに職員室という所に連れて来られた。私はまだ少し混乱の残る頭で、先生と 呼ばれた女性に静かに頭を下げた。 「今日から私が貴女の担任の先生よ、よろしくね、東さん」 「よ、よろしくお願いします…」 「今日からせつなと同じクラスか~、楽しくなりそー」 その後、ラブは先に教室に向かい、私は先生と一緒に後から教室に向かう事にな った。 先生から色々と学校について説明された、なんとなく理解はしたけれど、やっぱ り何かが引っ掛かる。 ここはラブの大好きな学校。ラブの大好きな友達がたくさんいる、学校。なんだ か、胸がモヤモヤしてきた。 「東さんは、得意な科目とかある?」 「…分かりません」 「じゃあ、苦手な科目は?」 「それも…分かりません」 分からない、友達って何? 「転校生の東せつなさんです、みんな仲良くするように」 教壇の上に立つ。三十もの目が私に注目している…恥ずかしい。 だけど一番後ろの窓際の席にラブの姿を発見した。目が合うと、笑顔で手を振っ てきた。 「じゃあ東さんの席は、一番後ろの…」 「はいはーい!あたしの隣!」 「ふふ、あそこね」 私はラブの隣の席に向かった。 その途中、「可愛い」だとか色々と耳に入ってきたけど、なんて反応すれば良い のか分からなかった。 「隣の席だね、せつなっ」 「そうね、ラブが隣で安心だわ」 「分からない事とかあったら遠慮しないで聞いてね」 「ありがとう」 分からない事は、一つだけ。 なんでこんなに苦しくなるの。ラブを見てると、温かいけど切ない。 私は幸せになり過ぎて、欲張りになってるんだ、きっと。これ以上何を望むって いうの。そっか、だからだ。 幸せになり過ぎて私は、心が貧しくなってしまったんだ。 その夜、私はラブの部屋を訪ねた。忍び込んだ、というべきか。 ラブは既に眠っていて、タルトもシフォンも仲良く抱き合って眠ってた。私はラ ブの寝顔を見つめて、溜め息を一つ。 「私は…ラブの友達なの?」 私は嫌なの、友達は嫌。 ラブのたくさんいる友達の一人なら、私はラブの友達になんかなりたくない。な んでこんなに我が儘なんだろ。やっぱり、心が貧しくなってしまったからなのか な。 ぽたり、と一滴、ラブのベッドシーツに吸い込まれた。 「……せつな…」 「あ…」 ラブの目がゆっくり開いた。 「どうしたの…?嫌な夢でも見たの…?」 「ううん、なんでもないわ」 「嘘つき」 ラブは私の手を引く。 「おいで、せつな」 その手に導かれ、私はベッドに潜り込む。そっと抱き締められ、髪を撫でられて 、なぜか胸が苦しくなる私に、ラブは小さく微笑んだ。 「せつなは特別だよ」 「え…?」 「せつなは特別、」 ふわっと唇が塞がれた。 驚いて目を見開く私に、ラブはいたずらっ子みたいな顔で笑った。 「他の友達と違う、せつなは特別な存在なの」 だから嘘は吐かないで、って悲しそうな顔をして言うから、私はラブの胸に顔を 埋めて小さく頷いた。 だけど、本当はラブを独り占めしたいだなんて、恥ずかしくて言えない。 その日はあの夢は見なかった。 私はいつだってラブに守られてる、そんな気がした。 End
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「ただいま」 誰も居ない自分の部屋に挨拶する。 窓を少し開けた。夜風が心地いい。 おとうさんの作ってくれた机をそっと撫でる。 タンスを開いてありったけの洋服に両手で抱きついた。 何もかもそのまま。当たり前よね、何日も開けたわけじゃない。 でも、随分久しぶりな気がしたの。 どれもこれも、おとうさんとおかあさんとラブの、愛情がこもった宝物。 ただいま…。ただいま! これからもよろしくねって挨拶した。 コンコン 「せつな、いいかな?」 「どうぞ、ちょうど行こうと思ってたのよ」 そっと手を取って一緒にベットに腰掛けた。 繋いだ手はそのままにした。 「帰って…きたんだよね」 ラブの優しい目が私を見つめる。ラブの瞳の中に私が居た。きっと私の中には ラブが居るんだ。そんな当たり前のことが、なんだかとても素晴らしいことに思えた。 二人だけの静かな至福のひととき。 ずっと―――この時間が続けばいいのに。 コクリと私は頷いた。 私たちを愛してくれる人たちがいる。愛していきたい人たちがいる。 流れていく時間の全てを大切にしよう。 出会えた全ての人たちと過ごせる瞬間を大切にしよう。 それもラブから教わったこと。 「ねえ、せつな。本当によかったの?」 ラブが心配そうに聞いてくる。それはラビリンスを旅立つ前のこと。 「イース、俺達と一緒にラビリンスに残ってくれないか。」 ウエスターが私の手を掴む。 痛いくらいに強く握る手が、彼が本気であることを 証明していた。 「僕からも頼む、彼女達の世界で長く過ごした君の知識は、きっと役に立つ。」 サウラーは私の肩に手を当てた。 「せつな…」 「せつな」 「せつなちゃん」 泣き出しそうなラブの顔。 歯を食いしばって平気な顔をしている美希。 そして不安そうに両手を祈るように重ねたブッキー。 確かにラビリンスは放ってはおけない。 元幹部として、責任をウエスターとサウラーだけに押し付けるのは気がひける。 でも……。 でも、私は帰ってくるって約束したんだ。 おとうさんとおかあさんに。 「私は……」 声が震える。言葉が上手く出てこない。 帰りたい、帰りたい、帰りたい…。 私は―――四ツ葉町に帰りたいんだ。 それで気がついた。 (帰りたい) それはもう、自分の本当の故郷はあの街に なっていることに。 言葉の代わりに涙が出てきた。 ごめんなさい―――ごめんなさい 「……ごめんなさい。」 「いいんだ。無理を言ってすまなかったな。」 ウエスターの手が緩んだ。 「行きたまえ。君の笑顔は、きっとあの街によく似合う。」 サウラーの手が肩から離れ、寂しげに微笑んでくれた。 「せつなっ!」 優しくラブが抱きしめてくれた。 「帰りましょう、せつな。アタシたちの街に!」 「戻ろう、せつなちゃん!わたしたち四人でクローバーよ。」 ウエスター、サウラー、そしてラビリンスの人たちに見送られながら アカルンの力を解放した。 「ラブはどうだったの?私が居なくなっても平気?」 言ってすぐに、後悔する。怖い、聞きたくない。 「あたしは……」 「そりゃあ寂しいよ。でも、せつなが本当にそれを望むならかまわないって思う。」 ―――かまわない、その一言が胸に突き刺さる。 「みんなで幸せになりたいから。だから、時にはガマンしなくちゃいけないことも あると思う。一緒に居られなくても、心はずっと繋がってるから……。」 「だけど、一緒に居てくれるって聞いてほんとに」 「やめてっ!!!」 もう聞きたくない。それ以上聞きたくなくて大声で遮った。 また涙が溢れそうになる。逃げ出したかった。でも、どこに……。 「せつな……」 繋いだ手にもう一方の手を重ねてきてくれた。 私、馬鹿みたい。仮の話なのに子供みたいにムキになって。 でも不安だった。いつかそんな日が来るんじゃないかって。 「私は……嫌よ。」 やめよう、こんなこと言うの。 「おとうさんやおかあさんやラブが私を置いてどこかに行くなんて、嫌よ。」 止まって欲しいのに言葉が勝手に紡がれる。 「私がおとうさんやおかあさんやラブを置いてどこかに行くのも、嫌なの…」 みっともない。美希が聞いたらなんて思うだろう。 ブッキーが聞いたらどう感じるだろう。 ラブはなんて思ったろう。嫌われたくない。軽蔑されたくない。 「あたしも嫌だよ。せつなと離れるなんて絶対に嫌」 ラブに抱きしめられた。最初は優しく、だんたん強く。温かい、離れたくない。 「でも……さっき、かまわないって…」 「せつなには本当に幸せになってほしい。だからあたしは―――自分の気持ちを入れなかったの。」 私はやっと気がついた。 ラブは私と別れるのが平気なんじゃない。 自分の幸せよりも私を大切に思ってくれてるんだ。 ラブの胸に顔をうずめて涙を隠した。 「ねえ、せつな。あたしはずっとせつなと一緒に居たい」 もう不安は無い。もたれかかって静かに耳を傾ける。 「一緒に過ごして、ずっと同じ夢を追いかけたいと思うよ」 うん、できれば美希やブッキーも一緒に。 「それでも、もし―――せつながどうしても他にやりたいことが出来たら。 あたしについて来れないと感じたら、その時は感じたままに行動してほしい。」 不安そうに見つめながら話してくる。自分の言葉が、私を傷つけるのを怖れるように。 「何があってもあたしとせつなの絆は変わらないから。だから、何も諦めちゃいけないんだよ?」 やっとラブの言っていた意味がわかった。 幸せの形は一つ一つ違う。だからラビリンスは間違っていたのよね。 ―――でもね。 「ラブは言ってたわよね。いつか世界中のみんなの心を愛情で一杯にしてあげたいって。」 あれはラブの名前の由来を聞いた時のこと。込められた意味と大きな夢。 「私はその手伝いがしたい。世界中のみんなを笑顔と幸せで一杯にしたい。」 過ちは消せない。だけど、生きている限り、新しい幸せを紡ぐことは出来るはず。 「一緒にやらせて、ラブ。私も同じ夢を見る。一緒に追いかける。 それでも道が分かれることがあるのなら――その時は、行ってきますって、胸を張ってそう言うわ。」 そう、私にはまだラブから、この世界から学ばなければいけないことが沢山ある。 私の本当の夢と幸せを見つけなければならない。 そして、それは人々の笑顔の中にあるような気がした。 愛情の無いところに幸せは無い。だから目指すものはきっと同じ。 「うん、一緒に頑張ろう、せつな」 将来のことはわからない。でも、出会った時から運命のようなものを互いに感じた。 だから信じよう。手を取り合って、一緒に幸せをつかみたい。 「精一杯頑張るわ!」 だから、これからもよろしくね、ラブ。